素人純情娘113号東淀川区向かいます/今度こその マニュアル台詞を/3度アタマのなかでくりかえし/時速115キロであなたのもとへとはしりゆく
(「眠眠のあかい餃子が届けられる日。餃の字は読めるがときどき書けない」上田假奈代)
帰化したサマンサ。帰化したサマンサが秋刀魚焼くゴールデンタイム。サマンサの垂直な鼻を煙が立ちのぼる。いかしたサマンサ。帰化したんだから秋刀魚くらゐ焼いてもいいぢやないつて、それはいいけど、サマンサ。動かない鼻。
(「サマンサ」魚村晋太郎)
「あ~、ミックが抱いた女を抱けるなんて・・・あ~、すばらしいねえ。なんて幸せものなんだぼくは!」「はやく入れてぇ」「うん、入れるぞぉ~」「私はあなたの妻なんだから、毎日毎日“ミック・ヴァギナ”を楽しめるのよ!」「そうだな。うれしい限りだ。ありがとう。おおっと~、あ~、出そうだ、イクイクイク!」
(「ミック・ヴァギナ」尾ヶ崎整)
南トイ族は家族ごとに言葉が違う。同じ家族なら言葉は通じる(子供が独自の言葉を作って親が分からないこともある)が、はや、おむかいさんとの朝の挨拶も大変。「ナイカホア」と片方がいうと「ομαεηκτψ」という調子で端から見ているとまるで噛み合わっていない。
(「トイ族」まつおかずひろ)
だから/とおくの戦争ぼっぱつを/TVでながめながら/いつまでもぬるま湯に浸かっていたい/ぬるま湯にのびてしまいながら/大砲が放つあおいひかりにいちいち目覚めていたい/ああ、今のでひとが死んだかも知れないね/今のでもう二度と/母親に会えなくなってしまった子供がいるかも知れない
(「鼻毛温泉」矢板進)
女は僕の出臍を奥歯でかじりとる/笑っている/共食いと謂うからには/喰われてばかりはいられぬ/僕は女の凹んだ乳首に前歯を差し込む/笑ってみる
(「共食い」キムイルボン)
父が宇宙人であるという仮説、証拠はいくらでも作れる、緑を青というところや、煙草の煙を紫というところとか
(「スモーク」ラジオ・デイズ)
ありがとうがいえない/サンキューとかグラシアスは言えても、ありがとうが言えない
(杉山勇樹)
君とあって好きなものとかふえたんだたとえばミスドのドーナツだとか
(かみやひろし)
さかみちにおいたからっぽのペットボトルはしだいにころがりはじめ、わたしはこわれたテレビからでてきた天使にであう
(荒木時彦)
マイナス五度の体温みたい/あたくしが殺してあげる/足下のタイルは血の海で/深海魚はもう居ないわ
(「マイナス五度」有邑廃童)
阪急仁川駅に向かう川沿いの道で/ボブ・マーリーを彷彿させる/ドレッドヘアーの黒い犬とすれ違ったんだ/俺の脳味噌は飼い主のねーちゃんのビキニ姿と/新規事業を発明したぜニュートン
(「和菓子職人ブルース」しげかねとおる)
浜辺、かしら。/浅い、浅すぎる。/そう、/もっと深く/もっと浅く/もっと深く/もっと浅く/来そうですか、/もっと深く、/もっと浅く、
(「浜辺かしら」平居謙)
干からびた無花果を口に含み噛みながら/目を閉じて考えるあたしの/背骨が軋んで飢えた音をたてる
(「放送無線電話」タケイリエ)
ふわふわ と
ころころ して
さらさら いって
ひらひら みたいに
ぱらぱら かんじても
ぽつぽつ かんがえても
ごろごろ もうそうしても
どきどき ゆめをみていたい
もう少し止まってみよう
(「風の中で」辻本真孝)
優しく ゆっくりと時間を重ね/罪を重ね/戻れない長い道を それぞれの足で/勇ましく歩いてゆく
(豊原エス)
はい。ボクは死産です/死んでいるのに 生まれてきました/やったぁ!!/ボクは生まれてきましたよ/死んだままで ようこそ! いらっしゃい!/迎えてくれて ありがとう
(「やったぁ! ボクは生まれてきましたよ」佐原裕美)
とうとう二人は粘着カップルになった
(森下あさ子)
「あなたは何?」と言って、今度は大きく開いた口から舌をペロリと出した。
(「詩人の休日」辻本真孝)
2001/10/13 ポエトリーリーディングの夕べ(テーマ:名刺)
2008年12月14日日曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿