すきなアルバムに「Collection」というのがる。
松浦雅也とチャカの2人によるユニット、PSY・S [saiz] によるもの。
もともとは、NHK-FM「Sound Street」のマンスリー・ソングとして、
複数のアーティストと共に作られた曲を中心に納められたアルバム。
参加アーティストは、
鈴木賢司、高橋佐代子(ZELDA)、GON-TITI、村松健、杉林恭雄・
楠均(くじら)、いまみちともたか(バービー・ボーイズ)、沖山優司、
久保田洋司(The・東南西北)、楠瀬誠志郎、溝口肇 など。
このアルバムで、沢山のアーティストを知ることになった。
そして、ぼくも「Collection」を作ることにした。
もともとは、「編集論�」の課題だったんだけど。
(たぶん)何人かの詩人に声をかけて、書いてくれたのが、
中田啓介、松島健、東いづみ の3人。
中田君、東さんは同級生。2人とも独自の世界観を持つ作品を多く書いている。
松島君は、後輩。彼は詩を書いてたのだろうかと、今考えても思い出せない。
3人とも、今は連絡をとっていない。
詩や文章を書いているのか、もう何もしていないのか、知らない。
何か書いているんであれば、また読みたいんだけど。
1990年1月に
「Collection」 B5判 22頁 20部
を 配付した。
10年以上も前の話。
誰か、まだ持ってるかな?
2001年8月
辻本真孝
2008年12月14日日曜日
member
中田 啓介 NAKATA KEISUKE
1968年9月8日、大阪府に生まれる。O型。
団体行動が嫌いというミュージシャン。ベーシスト。
ポップ・ロックの詩人として注目を集めている。
空又 覚造 SORAMATA KAKUZOU
本名 松島 健 MATSUSHIMA KEN
1970年4月25日、群馬県に生まれる。AB型。
酔うと人に酒をすすめ、重大発言をする。泣き出すこともある。
本人の今の意気込みがペンネームに表れている。
東 いづみ AZUMA IZUMI
1968年6月17日、大阪府に生まれる。おそらくO型。
紅一点を飾る、自称「美人なお姉さん」。
無国籍作品として人気を集めている。
辻本 真孝 TSUJIMOTO MASANORI
1968年8月10日、奈良県吉野郡に生まれる。AB型。
作家、ミュージシャン、映画監督など、
広く浅くをモットーに活動している。
今、一番わからない人。
1968年9月8日、大阪府に生まれる。O型。
団体行動が嫌いというミュージシャン。ベーシスト。
ポップ・ロックの詩人として注目を集めている。
空又 覚造 SORAMATA KAKUZOU
本名 松島 健 MATSUSHIMA KEN
1970年4月25日、群馬県に生まれる。AB型。
酔うと人に酒をすすめ、重大発言をする。泣き出すこともある。
本人の今の意気込みがペンネームに表れている。
東 いづみ AZUMA IZUMI
1968年6月17日、大阪府に生まれる。おそらくO型。
紅一点を飾る、自称「美人なお姉さん」。
無国籍作品として人気を集めている。
辻本 真孝 TSUJIMOTO MASANORI
1968年8月10日、奈良県吉野郡に生まれる。AB型。
作家、ミュージシャン、映画監督など、
広く浅くをモットーに活動している。
今、一番わからない人。
フェアリーランド
登場人物
桃太郎 青鬼1 母
2 さおり
小人1 3
2 赤鬼1
3 2
4 3
5
6
7 白雪姫
暗闇の中、時計が12時を打つ。
小人が1人 かけ込んでくる。
小人1 大変や大変や、えらいこっちゃ。
ぞろぞろと、小人が6人入って来る。
証明が明るくなる。
小人2~7 なんやなんや。
2 どないしたんや。大きい声だして。
1 大変なんや。姫さんが、姫さんが…
3 姫さんがどないしたんや。
1 姫さんが、白雪姫さんが、隣の奴らに連れて行かれたんや。
2~7 えーっ!
4 隣の奴らっちゅうと…
5 桃太郎はんか?
1 桃太郎はんとこの鬼や。赤鬼と青鬼や!
6 何でまた姫さんが…
7 近頃は物騒やから、夜中に出歩いたらあかんて言うとったのに…
1 外の空気吸いたいって、言いはるから…
2 おまえが連れて行ったんか。
1 …
3 ずっと、ついとってんやろ。
1 … いや… それが…
4 どないしたんや?
1 ちょっと、目ぇ離したすきに…
5 あほやな。
1 そんなん言うたって、わて1人やったらどないもでけへんやろ。
6 そりゃ、そうやけど。
1 せやろ、せやろ。
7 あほ、そんなん言い訳になるかいな。
1 そんな、あほあほ言わんでもええやんか。
2 ほな、どないしょう。
3 わてらで姫さん助けに行かな…
4 わてらだけで大丈夫かな。
5 桃太郎はんに頼もか?
6 そやな、桃太郎はんとこの鬼やし。
7 ほな、桃太郎はん呼びに行きまひょ。
小人4、5、6、7が行く。
小人1 姫さん大丈夫かな… 桃太郎はん来てくれるかな…
2 大丈夫やて、あっ、ほらもう来たで。
桃太郎を連れてやって来る。
桃太郎 は、はなせ。何なんだ君たちは。
小人3 えらい早かったな。
4 ちょうど、鬼退治に行くみたいやったから、連れて来たんや。
桃太郎 何なんだ君たちは。こんなところまで連れてきて。
小人5 実は桃太郎はん、姫さんを助けてほしいんや。
桃太郎 姫さん、というと…
小人6 白雪姫さんや。
桃太郎 その白雪姫さんが、どうかしたのか?
小人7 あんさんとこの鬼に、連れて行かれたんや。
桃太郎 別に私の鬼というわけではないが。
小人1 あんさんが退治する鬼や。
2 姫さんを助けてほしいんや。
桃太郎 そういうことなら別にかまわないが…
小人3 どうかしたんでっか?
桃太郎 君たちが強引に連れてくるから、お供の者たちとはぐれてしまったらしい。
小人4 お供の方っていうと?
桃太郎 犬と猿と雉なんだが… 見かけなかったか?
小人5 知らんなー…
6 あっ、向こうに猿やったらおったで。
桃太郎 三匹一緒じゃないのか?
小人6 豚と河童が一緒やった。
桃太郎 犬と雉なんだ。
小人6 ほな、違うんかなー。
桃太郎 いや、別に良いんだ。もともと私1人で行く予定だったから…
小人7 桃太郎はん。わてらにお供させてんか。
1~6 お願いしますわ。な、な。
桃太郎 うん。
小人全員 ヤッター。
桃太郎 とても心強いお供ができた。そうだ、みんなにきびだんごをあげよう。
小人全員 ワーイ。
桃太郎 それでは、出発!
小人全員 ♪ハイホー ハイホー 森の仲間…
…などと歌いながら、鬼が島に到着。
岩かげに隠れて、桃太郎が中の様子を伺っている。
桃太郎 しーっ、静かに。
小人1 鬼はいてまっか?
桃太郎 うん…
小人2 どんな様子でっか?
桃太郎 寝てる。
小人全員 寝てる!
桃太郎 しーっ。
小人3 ほな、今のうちに。
4 鬼退治して。
5 姫さん助けよ。
6 ほな、行くで。
7 それー。
小人たちは、ちょこまかと走り回っているだけ。
桃太郎1人で鬼を退治する。
桃太郎が姫さんを助け出して来る。
桃太郎はもう1度奥へ入って行く。
小人1 姫さん大丈夫でっか?
白雪姫 ええ、大丈夫よ。みんなありがとう。
小人全員 よかった、よかった。
2 なんか、あっけなかったなー
3 鬼いうても、たいしたことなかったなー。
全員 な、な。
白雪姫 あら、桃太郎さんは?
小人4 あれ、どこ行ってんやろ。
5 あっ、きたきた。なんか引っ張ってきてるで。
桃太郎は、宝を積んだリヤカーを引いて来る。
小人6 桃太郎はん、それ何でっか?
桃太郎 ああ、これか、これは鬼の財宝だよ。
小人7 へえー、いろんなんありまんなー。
桃太郎 君たちも何か持って帰るかい?
小人全員 いやいや、結構ですわ。
1 わてらは、姫さんを無事に助け出しただけで十分や。
桃太郎 そうか。それじゃ、これは私が全部もらって帰ることにするよ。
小人全員 うんうん、それが一番や。
桃太郎 それじゃ、おじいさんとおばあさんが待ってるから、もう帰ることにするよ。
白雪姫 それでは桃太郎さん、お元気で。
桃太郎 みんなもお元気で、さよなら。
小人全員 さいならー。
2 あー、行ってしもーた。
3 なんかええ人やったな。
4 あーゆー人を姫さんの相手にはどーやろ。
全員 あかんあかん。
5 姫さんの相手は、やっぱり王子様やで。
全員 せやせや。
6 あっ、もう夜が明けるで。
7 はよ帰らなあかんわ。
白雪姫 それじゃ、急いで帰りましょう。
小人全員 帰ろ帰ろ…
全員退場する。
真っ暗になり、すずめの鳴き声。
目覚し時計の音
(声だけ)
母 さおりちゃーん。早く起きなさい。幼稚園に遅れるわよ。
さおり はーい。
(幕)
桃太郎 青鬼1 母
2 さおり
小人1 3
2 赤鬼1
3 2
4 3
5
6
7 白雪姫
暗闇の中、時計が12時を打つ。
小人が1人 かけ込んでくる。
小人1 大変や大変や、えらいこっちゃ。
ぞろぞろと、小人が6人入って来る。
証明が明るくなる。
小人2~7 なんやなんや。
2 どないしたんや。大きい声だして。
1 大変なんや。姫さんが、姫さんが…
3 姫さんがどないしたんや。
1 姫さんが、白雪姫さんが、隣の奴らに連れて行かれたんや。
2~7 えーっ!
4 隣の奴らっちゅうと…
5 桃太郎はんか?
1 桃太郎はんとこの鬼や。赤鬼と青鬼や!
6 何でまた姫さんが…
7 近頃は物騒やから、夜中に出歩いたらあかんて言うとったのに…
1 外の空気吸いたいって、言いはるから…
2 おまえが連れて行ったんか。
1 …
3 ずっと、ついとってんやろ。
1 … いや… それが…
4 どないしたんや?
1 ちょっと、目ぇ離したすきに…
5 あほやな。
1 そんなん言うたって、わて1人やったらどないもでけへんやろ。
6 そりゃ、そうやけど。
1 せやろ、せやろ。
7 あほ、そんなん言い訳になるかいな。
1 そんな、あほあほ言わんでもええやんか。
2 ほな、どないしょう。
3 わてらで姫さん助けに行かな…
4 わてらだけで大丈夫かな。
5 桃太郎はんに頼もか?
6 そやな、桃太郎はんとこの鬼やし。
7 ほな、桃太郎はん呼びに行きまひょ。
小人4、5、6、7が行く。
小人1 姫さん大丈夫かな… 桃太郎はん来てくれるかな…
2 大丈夫やて、あっ、ほらもう来たで。
桃太郎を連れてやって来る。
桃太郎 は、はなせ。何なんだ君たちは。
小人3 えらい早かったな。
4 ちょうど、鬼退治に行くみたいやったから、連れて来たんや。
桃太郎 何なんだ君たちは。こんなところまで連れてきて。
小人5 実は桃太郎はん、姫さんを助けてほしいんや。
桃太郎 姫さん、というと…
小人6 白雪姫さんや。
桃太郎 その白雪姫さんが、どうかしたのか?
小人7 あんさんとこの鬼に、連れて行かれたんや。
桃太郎 別に私の鬼というわけではないが。
小人1 あんさんが退治する鬼や。
2 姫さんを助けてほしいんや。
桃太郎 そういうことなら別にかまわないが…
小人3 どうかしたんでっか?
桃太郎 君たちが強引に連れてくるから、お供の者たちとはぐれてしまったらしい。
小人4 お供の方っていうと?
桃太郎 犬と猿と雉なんだが… 見かけなかったか?
小人5 知らんなー…
6 あっ、向こうに猿やったらおったで。
桃太郎 三匹一緒じゃないのか?
小人6 豚と河童が一緒やった。
桃太郎 犬と雉なんだ。
小人6 ほな、違うんかなー。
桃太郎 いや、別に良いんだ。もともと私1人で行く予定だったから…
小人7 桃太郎はん。わてらにお供させてんか。
1~6 お願いしますわ。な、な。
桃太郎 うん。
小人全員 ヤッター。
桃太郎 とても心強いお供ができた。そうだ、みんなにきびだんごをあげよう。
小人全員 ワーイ。
桃太郎 それでは、出発!
小人全員 ♪ハイホー ハイホー 森の仲間…
…などと歌いながら、鬼が島に到着。
岩かげに隠れて、桃太郎が中の様子を伺っている。
桃太郎 しーっ、静かに。
小人1 鬼はいてまっか?
桃太郎 うん…
小人2 どんな様子でっか?
桃太郎 寝てる。
小人全員 寝てる!
桃太郎 しーっ。
小人3 ほな、今のうちに。
4 鬼退治して。
5 姫さん助けよ。
6 ほな、行くで。
7 それー。
小人たちは、ちょこまかと走り回っているだけ。
桃太郎1人で鬼を退治する。
桃太郎が姫さんを助け出して来る。
桃太郎はもう1度奥へ入って行く。
小人1 姫さん大丈夫でっか?
白雪姫 ええ、大丈夫よ。みんなありがとう。
小人全員 よかった、よかった。
2 なんか、あっけなかったなー
3 鬼いうても、たいしたことなかったなー。
全員 な、な。
白雪姫 あら、桃太郎さんは?
小人4 あれ、どこ行ってんやろ。
5 あっ、きたきた。なんか引っ張ってきてるで。
桃太郎は、宝を積んだリヤカーを引いて来る。
小人6 桃太郎はん、それ何でっか?
桃太郎 ああ、これか、これは鬼の財宝だよ。
小人7 へえー、いろんなんありまんなー。
桃太郎 君たちも何か持って帰るかい?
小人全員 いやいや、結構ですわ。
1 わてらは、姫さんを無事に助け出しただけで十分や。
桃太郎 そうか。それじゃ、これは私が全部もらって帰ることにするよ。
小人全員 うんうん、それが一番や。
桃太郎 それじゃ、おじいさんとおばあさんが待ってるから、もう帰ることにするよ。
白雪姫 それでは桃太郎さん、お元気で。
桃太郎 みんなもお元気で、さよなら。
小人全員 さいならー。
2 あー、行ってしもーた。
3 なんかええ人やったな。
4 あーゆー人を姫さんの相手にはどーやろ。
全員 あかんあかん。
5 姫さんの相手は、やっぱり王子様やで。
全員 せやせや。
6 あっ、もう夜が明けるで。
7 はよ帰らなあかんわ。
白雪姫 それじゃ、急いで帰りましょう。
小人全員 帰ろ帰ろ…
全員退場する。
真っ暗になり、すずめの鳴き声。
目覚し時計の音
(声だけ)
母 さおりちゃーん。早く起きなさい。幼稚園に遅れるわよ。
さおり はーい。
(幕)
ムーンライト・セレナーデ
三十の顔を持つ月は
人を支配している
ただ美しいだけではなく
妖艶である
月の中に
人は夢を見る
うさぎ
かえる
おんな
………
眺めるだけではなく
豊作を祈り
悪霊を払い
夢を見る
かぐや姫も
E.T.も
帰ったのは
満月の夜だった
暗黒の世界で
新月と満月は
同じ魅惑を持っている
この二つの月の日には
健康な人が病因に駆け込み
犯罪が多発し
世界が変わる
月に人が降りたのは
もう昔の話
今夜僕は狼になる
人を支配している
ただ美しいだけではなく
妖艶である
月の中に
人は夢を見る
うさぎ
かえる
おんな
………
眺めるだけではなく
豊作を祈り
悪霊を払い
夢を見る
かぐや姫も
E.T.も
帰ったのは
満月の夜だった
暗黒の世界で
新月と満月は
同じ魅惑を持っている
この二つの月の日には
健康な人が病因に駆け込み
犯罪が多発し
世界が変わる
月に人が降りたのは
もう昔の話
今夜僕は狼になる
HONEY-HONEYMOON 東 いづみ
HONEY-HONEYMOON
ロベルトと地図の上で手を合わせる。
グリーンに塗りつぶされた広いところで指が重なり、
オレンジ色を示す手を追いかけると、とんとんと軽くたたかれる。
爪までも最上級品。
バオバブ
ぽおんと空に息を投げあげる。
なごむ天気の青く、また白い日。
のどかなとちに人はいなくて。
彼もまた、体を失う。
セアラの家の風呂場にいるぼくは窓から台所のエドナを見ている
エドナはぼくの窓ごしの友達。新妻の暖かみと少女らしいあどけ
なさを兼ね備えている、驚くほど美しい女性だ。彼女はオレンジ
を投げてくれる。そうしたら、彼女とぼくの間にオレンジの香り
の橋ができる。手をつなぐより、はるかに優しいつながりだよ。
≪恐怖の報酬≫は…
今は爺さんになっている男が、若者の特徴をめいっぱい目立たせ、ブラウン管のむこうでいきがってみせる。
果物の缶詰を開けた男がテレビの角っこを殴りつけては、白と黒のちらつくカビを熱心に眺めてる。
「古いものほどいいんだ。」 彼はうなずく。
「そうさな。」 同居人はポーク&ビーンズで遅い昼食をとりながら、うなずく。
画面にぐいぐい引きつけられ、それども頭のどこかははっきり分かっていて、永久にうなずきつづける。汗くさい男たちが、二時間後には髭を剃りはじめるだろう。
『たとえ死んでも、見苦しい姿は見せたくない。』 映画のせりふをまね、真新しいスーツをまとって、トタンのすみかにおさらばだ。
ロベルトと地図の上で手を合わせる。
グリーンに塗りつぶされた広いところで指が重なり、
オレンジ色を示す手を追いかけると、とんとんと軽くたたかれる。
爪までも最上級品。
バオバブ
ぽおんと空に息を投げあげる。
なごむ天気の青く、また白い日。
のどかなとちに人はいなくて。
彼もまた、体を失う。
セアラの家の風呂場にいるぼくは窓から台所のエドナを見ている
エドナはぼくの窓ごしの友達。新妻の暖かみと少女らしいあどけ
なさを兼ね備えている、驚くほど美しい女性だ。彼女はオレンジ
を投げてくれる。そうしたら、彼女とぼくの間にオレンジの香り
の橋ができる。手をつなぐより、はるかに優しいつながりだよ。
≪恐怖の報酬≫は…
今は爺さんになっている男が、若者の特徴をめいっぱい目立たせ、ブラウン管のむこうでいきがってみせる。
果物の缶詰を開けた男がテレビの角っこを殴りつけては、白と黒のちらつくカビを熱心に眺めてる。
「古いものほどいいんだ。」 彼はうなずく。
「そうさな。」 同居人はポーク&ビーンズで遅い昼食をとりながら、うなずく。
画面にぐいぐい引きつけられ、それども頭のどこかははっきり分かっていて、永久にうなずきつづける。汗くさい男たちが、二時間後には髭を剃りはじめるだろう。
『たとえ死んでも、見苦しい姿は見せたくない。』 映画のせりふをまね、真新しいスーツをまとって、トタンのすみかにおさらばだ。
落しもの 空又 覚造
ある所に一見すると、仲の良さそうな母と子供がいました。
ある日、子供は母親から「外で遊んできなさい」と言われ一人で外に出ました。
なぜ母親がそのように言ったかというと、その子供はあまり外で遊ばなかったからです。それに友達もいなかったので、一人で石や玩具で遊んでいました。
その子供は、県道のそばの小川で最近、母親に買ってもらったモーター付きの船を動かしてその流れに逆らって水の上を走らせようとしていました。
しかし、流れが早いせいかモーターの力が弱いせいか船はいっこうに前に進みません。
それどころか、下流にどんどん流されていきます。
「つまらないや」とその子供は呟きそろそろ家に帰ろうかなと考えていました。
陽も沈みそうですし、少しばかりお腹が減ってきました。
水の上から船を取り上げ自転車の方に行こうとしたところ、ふと足元のに何か光るものがあるのに気付きました。
その子供は何だろうと思い、近づいていきました。身体をかがめて、それを手にとってみました。それは一枚の十円玉でした。
十円玉一コではジュース一本もアイスクリームの一本も買えませんでしたが子供は何かしら、心のはずむ気持ちを感じました。
―誰のものだろう
―どうしよう?
―自分のものにする?
―お母さんに言おうか?
―それとも、交番のおまわりさんのところへ行こうか
子供は考えて考えて、結局母親と交番に届けに行くことに決めました。
母親は手にしっかりと十円玉をにぎっている子供に笑いかけて、一緒に交番に届けに行きました。
ある日、子供は母親から「外で遊んできなさい」と言われ一人で外に出ました。
なぜ母親がそのように言ったかというと、その子供はあまり外で遊ばなかったからです。それに友達もいなかったので、一人で石や玩具で遊んでいました。
その子供は、県道のそばの小川で最近、母親に買ってもらったモーター付きの船を動かしてその流れに逆らって水の上を走らせようとしていました。
しかし、流れが早いせいかモーターの力が弱いせいか船はいっこうに前に進みません。
それどころか、下流にどんどん流されていきます。
「つまらないや」とその子供は呟きそろそろ家に帰ろうかなと考えていました。
陽も沈みそうですし、少しばかりお腹が減ってきました。
水の上から船を取り上げ自転車の方に行こうとしたところ、ふと足元のに何か光るものがあるのに気付きました。
その子供は何だろうと思い、近づいていきました。身体をかがめて、それを手にとってみました。それは一枚の十円玉でした。
十円玉一コではジュース一本もアイスクリームの一本も買えませんでしたが子供は何かしら、心のはずむ気持ちを感じました。
―誰のものだろう
―どうしよう?
―自分のものにする?
―お母さんに言おうか?
―それとも、交番のおまわりさんのところへ行こうか
子供は考えて考えて、結局母親と交番に届けに行くことに決めました。
母親は手にしっかりと十円玉をにぎっている子供に笑いかけて、一緒に交番に届けに行きました。
『テケテケ』 中田 啓介
目覚し呼ぶ声
泣き出す前に
僕はテケテケ
ごはんはいらない
あいさつテケテケ
猫はどこゆく
しらないテケテケ
疲れた靴は早起きだけど
足は寝ぶそく
街ゆくテケテケ
公園よこぎり
電車でテケテケ
バスでテケテケ
とーちゃくー。
僕は空みて
テケテケため息
テッテケ フー
テッテケ フー
見れば太陽
ハリネズミ
僕は
ひとやすみ
テケテケ
夕暮れとばりに
さよならかわして
もう唄もおわりさ
また明日テケテケ
泣き出す前に
僕はテケテケ
ごはんはいらない
あいさつテケテケ
猫はどこゆく
しらないテケテケ
疲れた靴は早起きだけど
足は寝ぶそく
街ゆくテケテケ
公園よこぎり
電車でテケテケ
バスでテケテケ
とーちゃくー。
僕は空みて
テケテケため息
テッテケ フー
テッテケ フー
見れば太陽
ハリネズミ
僕は
ひとやすみ
テケテケ
夕暮れとばりに
さよならかわして
もう唄もおわりさ
また明日テケテケ
街
眩し過ぎるぐらいの太陽。
青い空。白い雲。
まるで空から生えているようなビル。
動きまわる人々。と、車。
エンジンの音。クラクション。
人の声。
街の音が僕を包み込み、
一人にしてしまう。
周りには、
誰でもいるのに。
何でもあるのに。
友だちは……
眩し過ぎるぐらいの太陽と、
青い空と、白い雲。
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